判例解説インデックス

大阪高裁が、婚外子（入籍していない男女間に出来た子供−非嫡出子）と、嫡出子との相続差別を違憲と決定したことがわかった（朝日朝刊）。

現在の民法では、非嫡出子の相続分は嫡出子の相続分の半分。立法理由は婚姻制度を維持するためだと言われているが、非嫡出子の側からすれば自分の責任ではないのに差別を受けることになる。それで、憲法１４条に定める「法の下の平等」に反するのではないかが、以前から争われて来た。最高裁は、１９９５年、この差別は合憲としたが、批判が強い。今回の高裁の決定では敢えて最高裁判例と異なる判断をしているが、相手方が決定に対して抗告しなかったため確定しているという。

「法の下の平等」は、人種・信条・性別などで不合理な差別を禁ずる憲法条項だが、上述したように、非嫡出子は自分の責任で非嫡出子になったわけではないし、是正の途もないので、私自身は平等原則に反すると考えている。最高裁が判例変更することを望む。