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2008.07.27(日)

裏切りのスパイたち

ゲイル・リンズ 山本光伸訳

久しぶりのスパイ小説である。という意味もあってかなり期待したのだが、それ程でもなかった。やはりアメリカのスパイ小説は大味というか、あまり私の趣味ではないようだ。やたら銃弾が飛び交って人が死ぬし、カーチェイスも至るところで発生する。多分、映画化も意識されているのだろう。著者は女性だそうだが、帯の謳い文句に「ラドラムの後継者」とある。ラドラムは何冊か昔読んだ記憶があるが、こんな感じではあった(ラドラムは映画「ジェイソン・ボーンシリーズ」の原作者−このシリーズの映画は確かにアクション映画として観る限り面白かった。特に3作目は秀逸)。

ただ私からみて大味とは言いつつも、至るところに仕掛けがしてあり最後のドンデン返しも楽しい。一級のエンターテイメントとして評価して良いだろう。お奨めはするが、結構筋が複雑なので、一気に読まないと前後関係がわからなくなるかも知れない。その意味では余りお手軽ではないとも言えそうだ。


ゲイル・リンズ 山本光伸訳<br />二見文庫
二見文庫
952円+税