本書は題名の通りである。ブックカバー(のカラー写真)を集めたもので、眺めていると大変楽しい。
本の装丁の仕事は大変難しそうで、しかしやりがいのある仕事だと思う。
まず最低限の前提として、装丁が本の内容を決して裏切ってはいけない。寧ろその装丁を見れば本の内容ないし雰囲気を視覚的に掴めるようにする必要がある。そして、書店内で無数に並んでいる他の書籍の中で自らを主張し、書籍を物色している客に手に取らせるよう誘引出来なければならない。書名・著者名が既に鳴り響いていれば、装丁自体にそれほど誘引力が期待される訳ではないにしても誘引力があるに越したことはないし、著者名・書名の名に恥じない装丁でなければならないことは言うまでもない。
そして、装丁中、書名と著者名(更には出版社と値段)という必須の文字情報を目につくところに確実に配置しなければならないのだから、そのロゴをどの様なものにするか、どう配置するか、装丁者の腕の見せ所という訳である。更に背景を写真にするかイラストにするか幾何学模様にするかロゴをどう配置するか紙質をどの様なものにするか布張りにするか、様々な装丁者のアイデアと工夫と力量で、色んな本が出来上がる。
私自身は愛書家ではないが、このようにブックカバー自体の鑑賞は楽しい。