高校時代地学は習った筈なのだが、教科内容はもちろん担当教師の記憶も全くない。しかし、今回まとめて読んでみて、かなり面白い学問なのだなと感心した。高校時代に戻ったら、入試選択科目にしても良いかも知れない。
地震予知から宇宙誕生まで話題は広いが、私が特に感心したのは地球の内部。プレートテクニクス理論やそれに基づく地震の発生は「日本沈没」の映画で「勉強」していたし、宇宙誕生の「ビッグバン宇宙論」は上下2巻の厚い本を読んだしその辺の知識はあったのだが、地球内部でマントルが対流し、それに沿って大陸が動いているという一般的な知識がかなり曖昧なものだったことを本書で知った。SFで地底王国みたいなのが時々出て来るが、これがいかにありえないか、文字通り夢物語に過ぎないかということがよくわかる。
叙述は平易で、豊富な図版も適切で、参考書には最適だろう。
ただ本書を読めば読むほど、地震予知がいかに困難か、しかし東海大地震の危機は迫っているというジレンマが実感できる。