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2011.09.10(土)

ゴーストライター

ロバート・ハリス 熊谷千寿訳

元英国首相の回顧録を書くよう請け負ったゴーストライターが主役の政治スリラー。主人公のゴーストライターは元々は歌手などが専門で政治家は初めてなので、戸惑うところから始まる。ライターと言ってもミステリー作家ではないので、自分で動き回って謎ときに向かうという設定ではなく、寧ろ「巻き込まれ型」である。また派手なアクションは殆どない。

元イギリス首相というアダム・ラングが実在のイギリス元首相トニー・ブレアを彷彿とさせるので、実際のイギリス政界を見ているような気にさせられるのが一つの魅力。また話は比較的テンポよく進むが、舞台はアメリカでも主要登場人物がイギリス人なので、どこか悠揚たるものがあるのも魅力。結末は明かせないが、最後のヒネリも効いている。

週末を過ごすにはお薦めの一冊だろう。


講談社文庫
876円+税