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福岡市弁護士甲能ホーム判例解説インデックス「茶のしずく」被害、集団提訴

判例解説インデックス

2012.04.21(土)

「茶のしずく」被害、集団提訴

全国で535人70億円賠償求め

福岡県の化粧品会社が販売した「茶のしずく石鹸」という商品による小麦アレルギー発症問題で、被害者535人が20日、化粧品会社などを相手に総額70億4600万円の損害賠償を求める訴訟を福岡など15地裁・支部に一斉に起こした。製造物責任法(PL法)に基づく訴訟としては、原告数は過去最多とみられる(朝日21日朝刊)。

製造物責任法(PL法)とは、商品の欠陥で生命・身体・財産に損害が生じたときは、メーカー等に損害賠償を請求できるとする法律である。この様な事例の場合、民法では、不法行為責任といって、加害者の故意・過失(落ち度)、損害、損害と落ち度の原因関係(因果関係)を立証すれば、損害賠償を求めることが出来る。しかし、被害者にそこまでの立証責任を負わせるのでは救済が十分できないとして、特別法であるPL法が制定された。この法律では商品の欠陥を立証すれば足り、メーカー側が落ち度のないことを立証する負担を負わされることになった。被害者の救済に厚くなったのである。但し、不動産などは除外されているので、いわゆる欠陥住宅はPL法では救済されず、やはり民法で行かなければならない(ただ、民法の規定で行く場合も不法行為責任だけでなく、債務不履行責任・瑕疵担保責任など諸種の責任追及方法がある)。

PL法施行に伴い、商品の注意書きが増えたことにお気づきの方も多いかも知れない。