東京地裁は、3月14日、「成年後見制度」で後見人が付いた知的障害者らに選挙権を与えない公職選挙法の規定が、憲法に違反するかが争われた訴訟の判決で、選挙権を保障した憲法15条や44条に違反し、無効とする初めての司法判断を示した(朝日朝刊)。
成年後見制度は認知症や知的障害、精神障害などで十分な判断能力がない人に代わり、家庭裁判所が選任する「後見人」などが財産管理や福祉サービスの選択、契約などを支援する制度。この制度で被後見人とされた人は、判断能力がなく、不正投票に利用されるおそれがあるという理由から、選挙権がないとされた。
しかし、選挙権は民主主義の根幹をなす権利であるから、財産管理能力が劣る人を保護する制度という目的の違いを無視して、一律に選挙権をはく奪するのは明らかに違憲だろう。妥当な判決というべきである。