滞納家賃の支払いを長時間にわたって強要されたとして、福岡市内の30代男性が家賃保証会社と同社従業員ら慰謝料110万円を求めた裁判で、福岡地裁は、「心身の安全や生活の平穏を脅かした」とし、午後9時以降の取立て等を不法行為と認定した(朝日4日朝刊)。
ただ午後9時以降という事実だけではなく、無断で部屋に立ち入ったり、無断で財布の中身や携帯電話を見たり、母親宅へ連れて行って土下座させたり、「3日後に支払いがなければ親族の子が通う小学校へ行く」と脅しもした、とのことであり、全体的に非常識すなわち社会的相当性を欠いているとの判断は妥当と考える。
今やいわゆる悪質な「追い出し屋」に対する批判が高まっており、時宜を得た判決ということができる。
一般論として言えば、契約どおり家賃を払わないのも悪いが、だからといって何をしても良いということにはならない。そのことを改めて明確にしたものと言える。