「ダンディって何?」と聞かれたら、私の第一声は「洒落者・伊達男」といったところだろう。ところが、本書によると、真の「ダンディズム」はその様な皮相なものではないようなのだ。ジェントルマンでもなくダダイストでもなくハードボイルドでもなく、著者の意図するところは要約しにくく正に一冊の本になっているのだから、読んで理解して頂くしかないのだが。
敢て、的確な引用ではないのを覚悟の上で、著者の言葉を借りれば
「ダンディとは、時代の趨勢に流されず、孤独に抵抗し続け、破滅も辞さぬ、愚かしい男である。世間の価値基準にあわぬハンディを、傲慢でひとりよがりな態度でもってプラスに転じてしまう、ふてぶてしい『空気を読まない』男である。」
ということである。チャーチルやジェイムズ・ボンドを初めイギリスを主に「ダンディ」な男たちを10人例示して説明してあるのだが、どうもファッションだけが問題ではないことはわかるとしても、「反骨の男」と言いそえたからとしても未だはみ出る部分がある。やはり「空気を読まない男」ということになるのかも知れないが、にしても、じゃチャーチルは?
ジェントルマンについての解説と重なる部分が多いので、ここら辺りを手がかりに考えていくしかないのだろう。
尤も、私とダンディズムとは何の関係もないのだが。