著者が新聞記者であるせいか、大変読みやすく分かりやすい。
書かれてある内容は、今まで読んだことのある本と重複する部分が多いので、どちらかというと頭の整理に向いていると言える。検察関係の本を読んだり新聞を丁寧に読んでいれば、内容的にはそれほど新味はない。ただ、検察全体を俯瞰するには手頃な本だろう。
読んでいてやはり不気味なのは、現役検察官の内部告発の口封じをしようとして、その現役検察官を逮捕・勾留してしまったのではないかという疑惑である。そこまでやるか、という感じ。具体的にいうと、検察庁の裏金疑惑を告発しようとしていた現役検察官がテレビインタビューに実名登場する予定だったその日に、検察庁がその現役検察官を微罪で逮捕してしまったということである。どうみても口封じにしか見えない。しかし、確証はない。確証はないが、仮に口封じのための逮捕であれば、それは検察ファッショそのものである。そこまで検察庁は腐敗・堕落しているのかと思わされる。
私にとっては目新しい知識となるものは余りなかったが、検察ウォッチャーでない知識の少ない人には手頃な入門書だろう。