先日たまたま大分に行ったので、大分県でしか買えない本「夕方なしかの本」を買って来た。実は、この本はシリーズ化しており第一巻を既に2006年3月1日に本欄で採り上げている。当時で4巻以上出ていた筈で、今回買ったのは第8巻で平成18年12月の発行。
「なしか」は「何故か」という大分県の方言で(多分北部九州では通じると思う)、純粋に疑問文のことも多いが、慨嘆やら怒りやら色々なニュアンスがある(それは「何故か」も同じだろう)。
OBSは大分県の民間放送で、このラジオへの投稿を編んで、それぞれにパーソナリティの松井督治さんと吉田寛さんが大分弁の掛け合いでコメントするという形式。
苦笑・爆笑・微笑といった反応が出来て楽しい。
「其の十二 『婦人会じ』@●別府市 かぼすtoみかんさん
地区ん婦人会じ、一泊旅行に行くこつになった母ちゃん
「お土産はなにがいいんかな?」ち、父ちゃんに聞いたら、返事がなかったもんじゃけん、
「ほんなら、馬ん角か、蛙んヘソを買うち来ちゃるわい」ち。
なしか!
督:『馬ん角』に『蛙んヘソ』か、上手いこと言う母ちゃんじゃ。
寛:そういうあんたには『猿ん卵』買うち来ちゃる。
督:本当?前から欲しかったんや、『猿ん卵』。
寛:そげなこと言うあんたには『蛇ん足』を買うち来ちゃる。
督:それも欲しかったんや、『蛇ん足』。
寛:そこまで言うあんたには『家庭の安らぎ』を買うち来ちゃる。
督:えっ!『家庭の安らぎ』?そげなもんは売りよらんじゃろう。
寛:なし、そこだけ否定するんかえ?
督:『家庭のやすらぎ』は、売り物じゃねぇで。家族じ作るものでえ。
寛:あんた、選挙でん出るんかえ?」
大分ローカルでしか通用しないかも知れないものも、それなりに他所の人でも応用して楽しめるのではないか。
「其の六十四 『林道に』@●宇佐市 督ちゃんパッチさん
耶馬溪の林道に
『ここん木じゃ、角は磨かんじょくれ』ちゅう看板があった。
耶馬溪ん鹿は、字を読みきるんち。
なしか!
督:いくら、耶馬溪ん鹿でん、字は読みきらんじゃろう?
寛:院内ん石橋のそばには、『ここん川に、棲んじょくれ』ちゅう看板が…。
督:いくら、院内んオオサンショウウオでん、字は読みきらんじゃろう?
寛:中津ん池んそばには『ここん水辺で、遊んじょくれ』ちゅう看板が…。
督:いくら、中津んベッコウトンボでん、字は読みきらんじゃろう?
寛:久住ん山には、『ここん空を、気持ちよう飛んじょくれ』ちゅう看板が…。
督:いくら、久住んハヤブサでん、字は読みきらんじゃろう?
寛:臼杵ん海岸には『ここん海じ、大きいなっちょくれ』ちゅう看板が…。
督:いくら、臼杵んトラフグでん、字は読みきらんじゃろう?
寛:いや、やっぱ、トラフグには大きいなっちもらわんと…。」