昨年11月21日のこの欄に「イチオシは柳田選手」と書いた(お読みください)。この時点でも衆目の一致するところだった筈だ。
そしてこの1年、柳田選手が見事に花開いた。
ホークス日本一連覇に多大の貢献をし、パリーグ年間MVP(月間MVPは2度・セパ交流戦MVPも)に選ばれた。その他に、首位打者・最高出塁率・ベストナイン・ゴールデングラブ賞・ドラマティックサヨナラヒット賞(この逆転サヨナラ3ランホームランのとき僕は球場にいて鳥肌が立った)等など。打率3割・ホームラン30本・盗塁30個を超えるいわゆる「トリプルスリー」を達成し、その野球用語を広めた功績で、2015年流行語大賞(注*)まで受賞している。その他テレビ番組の2015年プロ野球珍プレー好プレー賞で、バックスクリーン電光掲示板の電飾を叩き壊す超特大ホームランがニューヒーロー賞を貰っている。シーズン中に結婚して来年にはお子さんが生まれるそうで、それも目出度い。
柳田選手は、いわゆる「天然」らしい。今季の色んな賞の受賞メッセージは、無難な(悪く言えばありきたりの)内容でまとめていたが、時々インタビューで中々味のあるトボケた答えをする。数年前の入団記者会見で、そのとき付けられた背番号44番をどう思うかと聞かれ、しばらく考えて「獅子舞っすかねぇ」(44をシシと語呂合わせ)とルーキーの癖に完全に人を食った回答をした(意図的なウケ狙いの冗談ではないところが天然)。そして、今回の流行語大賞でのインタビューで「周りが頭の良さそうな人ばかりで、場違いな気がする」と言ってた。自分は「頭の良さそうな人達」とは違うと考えている節がある。「メイクドラマ」なんて文法的に間違っている癖にそんな英語(らしきもの)をやたら混ぜて賢こぶりたがってたどこかのスーパースター選手とは一味違う天然の味わいで、何かニヤリとしてしまう。
自分の後継者に柳田選手を指名した小久保侍ジャパン監督が、柳田選手に「読書をせよ」と本を渡したそうだが、柳田選手は「余り読めていない」とどこかで応えていたような記憶がある。僕としては、本を読んで妙に小賢しくなるより今のまま天然でいて欲しいと勝手に思っているが、そう長くないプロ野球選手の現役生活を卒業した後の人生のことを考えると、読書癖をつけて勉強しておいた方が指導者や解説者になりやすいのかなとも思う。我ながら、どっちやねんと思うが、全く身勝手なファンだな。
柳田選手なら養子にしても良いと思っているが(私は彼の倍以上生きているが既に向こうの方が断然お金持ちだからでもある)、向こうが間違いなく嫌がる。やはり、一ファンとして応援するに留めよう。
(注*)流行語大賞候補に「アベ政治を許さない」「SEALDs」が入っていた。これは一時の流行に終わらせてはいけない。こと「アベ政治」に関しては僕は怒りまくって怒り続けている(何故かは本欄の過去の記事をお読み下さい)。彼を総理の座から引き摺り下さなければならない。そして彼が残したものを一掃しなければならない。